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2016年08月20日

「NO!」と言えるお猿さんに進化するとき

「猿の惑星」という映画シリーズを流れで全部見た。(1~5)1は非常に有名だし、2のシーンも記憶に残っていたがストーリーが曖昧だったので、今回改めて通して見て、初めて映画のテーマの深さに感嘆した。(リメイクバージョンの創世紀と新世紀も見ました。ティムバートン版はイマイチ・・)

猿が進化する原因はオリジナルとリメイクでは少し違うのだが、進化した猿の行動は同じである。

「自由」を求めて「仲間」を集め人間からの「支配」にクーデターを起こす。
オリジナルは原作が小説であり、主テーマとして人類が抱える「業」=「人類は戦いをやめない」を描いており、登場する人間は猿の支配に挫折したあと人類同士で殺し合い自滅する。サルたちの中にも「戦いたがる」種族がいて、リーダーの猿(シーザー)が決めた「猿は猿を殺さない」「人間にひどいことをされたが復讐はしない」という掟を破ってしまう。

素晴らしい原作と猿の特殊メイクが当時話題になった人気映画であり、リメイク版はCGの進化で映像がとてもリアル。このシリーズを見ていくつか印象深かったことがある。

ひとつは猿が喋れるようになる瞬間の第一声「NO」である。リーダー格のオス猿は「服従に対して限界を超えたとき」に「NO」と発声して人間を驚愕させる(ちなみにこのシーンは超カッコイイ!)しかし物語が後半になり「最悪の不毛な戦い」へ突入しかかったその時、人間に止めを刺すことに「NO」というのはメスの猿である。それによってお互いが絶滅してしまうような最終決戦を避けることができるのである。この男性性と女性性の違いって非常に興味深く大好きなシーンだ。




もう一つは「人は人を支配してはいけない。支配すればされたほうが必ずクーデターを起こす」ということ。戦うこと、支配することを選ぶ心理背景は「恐怖心」である。人類は誕生してからずっと人類同士で殺し合い、恐怖心を克服してもまた新しい恐怖心が生まれて終わりがないことを、40年以上も前に小説に描かれ映画化されている。

現在、誰でもが見れるこんな素晴らしい映画での教訓があっても、リアルな悲劇的な出来事の教訓があっても、人類が核を持て余し、にっちもさっちもいかない現実をみんな知っていても、ちっとも進化しようとしない人類のこの有様・・・深く考えさせられる映画だなと思った。

何気ない日常や仕事の場面でも「NO」が言えていないことってないかな。

「NO」と言っていいと思う。理不尽な強権発動や外部に分かりづらい悪しきしきたり等・・・もっとささいな嫌がらせなども、している方は自覚していないことも多い。

映画の中で人間がリーダーのシーザーに言う。

「そんなことをして何になるんだ、勝てっこない。直ぐに捕まる」

それを聞いてシーザーは言う。

今日のクーデターは失敗に終わるかもしれない。でも明日には世界中の猿たちが自分のあとに続いて立ち上がる。そうなれば人類に勝目はない

もう新しい時代。みんなそろそろNOといえるお猿さんに進化しよう。
  


Posted by 小路文子(こみちあやこ) at 13:22Comments(0)コミュニケーション