虹色の扉
虹色の扉を創りたくて一心不乱に色を塗っていた。
塗っているとさまざまな
「こだわり」が現れて
細部まで作りこみたくなることが誰にでもあると思う。
自分の満足や心の解放のために「こだわる」ことは
悪いことではなく、むしろ必要なこと。
けれど、本当は扉は
「塗るため」にあるのではなく
「開けるため」にあることを思い出してはっとする。
扉をよくみると、鍵が掛かっていると感じる。
扉の鍵はどこにあるんだろう?と
真剣に探さなければ一生鍵は見つからない。
鍵が見つかっても開ける勇気があるか。
期待した風景と違う風景が広がっていたら。
失望したくないと臆病になる。
綺麗な虹色のこの扉は、いつ開くの?
扉そのものに色を塗っていても
現実は変わらない。
扉はとても美しくなるだろうけどそれはそれでしかない。
扉の向こうにあるなにかに手探りで綺麗な色を付けていくことには
もしかするとなんの見返りもないかもしれない。
それでも向こう側の風景に焦がれ、色を空想する。
リアルに空想できたとき、
きっと扉と未来は一体になっていて境目もなく、
見たこともない素晴らしい色と、風景。
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